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「…?」
あたしは目の前のパンツスーツの女性が誰か分からず、きょとんとしていたが、さっきまでアットホームだった部署が急にピンと張り詰める。
明らかに仕立ての良さそうなスーツを着込み、神経質そうな眼鏡をしたその人は、やはり神経質そうな口調で言った。
「北川美波さんですね」
「あっ…はい。今日から企画部署に配属された…」
「自己紹介は結構。北川さん、私についてきてください」
ピシャリと冷たく言い放ち、高いヒールを鳴らしながら出口へ向かった。
こっ…こわ~……。
美人だから余計に迫力…。
肩をすくめていると、出口の扉付近で彼女は振り返り、更に冷たい口調で言った。
「時間が惜しいので急いで下さい。社長が御呼びです」
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