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顔を上げて真っ先に視界に入り込んだのは、上等な机に上等な椅子。 それに見合うほどの強いオーラを放つ、一人の男。       その男は長い脚を組み、頬杖をついてあたしをじっと見つめている。   その唇は笑っているが、それがなんだか自信満々ですって言わんばかりの表情で、あたしを更に緊張させた。       意志の強そうな鋭い瞳。 スッと通った鼻筋に大きくて厚い唇。ムースで固められたオールバックの髪。 そして仕立ての良いスーツ。     さすが日本の革命児と言われるだけあって、他とは違う何かを感じた。       彼は、頬杖をついたまま唇を動かした。       「おまえが北川美波だな」
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