雨に溶けたゆめ

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  ◆バス待ち少女     大人行きの切符を 握りしめて 少女は待ちました     その駅は ザワザワ しています 頭上を 魚が泳いだり 空飛ぶウサギが 駆けてたり   足下あたりの 雑草さえ 愉快に会話しています     それがどうにも 鬱陶しくて まだか まだかと待ちました     漆黒のバスが 定刻通りにやってきて 少女を乗せて 進みます     ざわつく景色は 消え失せて 静かな夜景が 広がります   周りの客は 黙りこみ 時計をせかせか見ています     進むにつれて 少女は何かを 忘れます 一駅につき ひとつずつ     始まりの駅の名前とか 飛んでた魚の名前とか     「終着 終着 大人駅」     赤帽車掌が叫びます     冷えた風が 吹き込みます 車両の出口の改札で 握った切符を 捨てました     手の中の熱が 消えるとき 最後の何かが 記憶から消え   憧れたはずのその土地で 涙が一粒 落ちました    
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