21人が本棚に入れています
本棚に追加
唐沢が学生の頃にたまたま知り合った間柄なのだが、この男は掴み所が無いんだ。
この事務所もその一つと言っていい。
看板にはこう書かれている。
『もめ事処理屋~葵~』
……嘘くさい看板である事は認めよう。
唐沢も最初に話を聞いたときはビックリした。
この先輩だからこそなせる破天荒事件は数少なくない。
その事件に無理やり巻き込まれてしまうのは、不幸体質だかやかと本気で悩んでしまう。
だって、出会って最初の言葉がこれだぜ。
「お前……どこの流派だ?良かったら俺と金儲けしないか?」
なぁ、あり得ないだろ。
空手部に当時、所属していた唐沢に対しての第一声がこれである。
そんな事を嘆いてもしかないと、唐沢は諦めつつコーヒーを沸かしだしだ。
最初のコメントを投稿しよう!