悲しみの器

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悲しみの器

人はみな悲しみを注ぐ器を持っているんだよ おちょこぐらいの大きさの人から バケツくらいの大きさの人まで その器が悲しみで一杯になると溢れてしまうんだ だからその大きさが大きいほど悲しみに耐えられるんだよ 君の器はどれくらいの大きさだと思う? ワイングラスくらい? 君の器は人とは比べものにならないくらい とてつもなく大きいんだ 山の中のダムくらい まだ一度も溢れていない代償に生まれたときからのすべての悲しみが地層のように蓄積されたままになっているんだ そのダムが溢れたら… その時を僕は恐れているんだ…
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