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少年は草木を掻き分けて森の中を突き進んだ‥
ガサガサッ!
「ぷあッ!ぺっ!ペペッ!草が‥」
口に入った細かい草や歯を吹き出す‥‥目の前には川が流れていた
「‥‥川?‥‥まぁいいか、とりあえずこれで寿命が伸びた」
その場所は丁度良く小石が集まっている場所。砂利の上にドサッと荷物を下ろした‥‥そして荷物の中からナイフを取出し、ズボンの裾を捲り上げた‥空は暗くなっている
ジャバジャバと川に入っていき、顔ごと水中に入った‥水を飲んでいる
「‥‥<ジャ!> プハッ!水が美味い!」
濡れた顔を振って水滴を払う少年。背伸びをして今度は水面を凝視し始めた‥
「‥‥出来れば魚取りたかったけど‥見えねえ‥」
少年は目を凝らして水面を見続けていた‥‥まだ喉が乾いていたのか水を飲み始める‥
(スッゲェ!めちゃくちゃ美味い水だ!)
かーご~め~かーごーめ
「!!?」
何処からか良く聞いた童謡が聞こえた!水を鳴らして持っていたナイフを構える!
「‥‥?」
緊張で口中に入れていた水を飲むのを忘れ、口に含んだままだ‥声が聞こえる
かーごのな~かのと~りーはー
「…………………」
夜中の樹海に童謡が聞こえる……少年の周りは張り詰めた空気を漂わせた…恐る恐る、川を歩き始めた‥
(人?‥かごめ?‥女の声だ‥‥敵か‥魔物?……イヤ、闇ギルドの奴等か‥)
いーつーいーつー出~会~うー
ゆっくりと川の上流へと歩き続けると……人影が見えた…
「よーあーけーのば~んに~」
(…人!?……水浴び?泳いでる?)
歌はそこから発している、警戒を緩めずゆっくりと川の流れに逆らって歩く……人が川に入っている……寝そべり…決して深いと言えない川中に首までつかっている‥
「つーるとかーめがすーべったー」
(‥チッ‥暗い……よく見えない)
口に含む水の事等 忘れ、息を殺し、気配も殺した……………見えた!女!裸で寝ている!
(……………………は?)
………注意、素っ裸である……
「後ろの正面だ~あれ」
「ブ―――――ッ!!!」
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