ENCOUNTER【出会い】

11/13
184人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
魔物は人間と違い、基本的には言葉と言う感情表現語を持たない。代わりに行動で示す……例えば、熊は警戒する時には立ち上がりその巨大さをアピールし敵を脅し、犬は唸り声あげ、体勢を低くし、いつでも飛び掛かれるよう威嚇する‥ これは魔力が加わった動物と言えど本能。暗黙の掟である。 そして……暗黙の掟には『契約』または『約定』が存在する 分かりやすく置き換えると……例えば『縄張り』つまりは『絶対不可侵条約』 熊は自らの縄張りに大樹に爪痕を残し、犬は臭いを残す。これ以上この領域に踏み込めば攻撃する、と言う意思表示の事だ‥ 同種の動物はこの領域によっぽどの事が無い限り侵入しない。 話しが反れた‥本題に戻そう‥ 結論から言おう 『魔物は契約を第一に考える』 故に魔物に知恵つき、故に魔獣士あり‥とでも言うべきだろう。 魔獣士とは、何らかの現象により魔物と微かに意識を疎通できるようになる……いわゆる特殊体質の人間。そして何らかの利害、損得の一致により‥ 『魔物と契約し、共に過ごす』 ‥と言う‥職業と言うべきだろう。よく『使役』『調教』と言うが、実際は違う。 『魔物は使役するのとは違う。操るに不確か、調教など可能範囲外。魔物は友だ、我等は人と接する時と同じ態度でいなければならない。お前は人間を操れるか?子供に強弁できるか?それと同じ事だ』 ……今日び、この世界の全ての小等学の教科書に記載される言葉。古代英雄の1人の言葉‥ 聞いてる限りでは過酷では無く感じる……実際はそうだ。単純に考えれば特別なペットとして扱えば良いのだから……しかし良く考えて貰いたい‥ また話しが反れた‥ 単純に言うなれば魔物は契約に対し、神経を研ぎ澄ませている。契約違反は魔物としての名誉を失う『恥』、有ってはならぬ事‥ 代表例を言うなれば‥ ・契約中、主人を襲うなかれ ・主人の命に従え ・主人の敵は我の敵 ……である……あくまでも代表例、実際はもっと複雑化している‥ 因みに契約違反は『死の償い』。獣士は殺されるのが掟だ
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!