ENCOUNTER【出会い】

12/13
184人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
大熊は立ち上がったまま首を回した。少女が上空へ投げられる‥その瞬間に少年を警戒していた白狼が飛び上がり!空中で少女を背負うように密着した、それは四つんばいになる大熊の背中に着地……白狼は慎重に大熊の背中へ少女を下ろした‥ 「ありがと~」 仰向けに乗り、あどけない声を出す少女に答えるかのように一吠えする二匹……大熊が足を折り畳み、屈む。少女は首を上げ、驚く少年を見上げた。 「?‥こんにちは~」 少年は驚きを隠せないまま‥その姿の少女を警戒し、ゆっくりと足元にある大剣を拾い上げた‥ (今は夜だろ……てか‥まだ素っ裸かよ!仰向けで……ヤバい‥たまりません‥) 何とか雑念を振り払おうとする少年は大剣を構えた。体制を低く、持ち手を顔の真横に配置、大剣の切っ先を目線に対し直線にする……すると白狼が唸りながら大熊の前に出た。少年は言う‥ 「……あんた‥何者だ?」 「……ミコの事~?」 「巫女?」 少女は片手を動かし、少年を指差した……胸の肉が揺れる、男の性を捨てきれない少年は見逃さない。 (‥シー‥いや‥微妙にディー‥) 「わたしミコ~……あなただ~れ?」 「………!?‥その腕!」 少女が指差すその腕、確かに‥その乗る大熊に噛まれた腕。白狼が月明かりを反射させ、薄暗くても確かに視認できる‥傷口が無い‥素肌に残るのは僅かな血跡……白狼が盛大に吠える。 「だーかーら!だーれ!」 「!……ギルド‥ゴースト」 「?‥ギルド?……なーにそれ?‥ガーちゃん知ってる?」 「クォウ」 「……ワンちゃんは?」 「グルル!」 「……ギルドってどこー?」 「……はぃ?」 「どーやって来たの~?馬~?」 「電車にバスに歩き‥(馬?)」 「でんしゃ?‥ば~す?‥それってな~に?」 「……は?」 理解できないらしい少女……イヤ、それ以上に少年が理解できなかった‥ (こいつ‥人をおちょくってんのか?)
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!