‥お邪魔します

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……確かに巫女装束だ。いや、本元を見たことは無いが‥赤い袴に白衣、着方は雑極まりないが、確かに巫女(ミコ)だ。 「……お前‥何者だ?」 鹿が少女を下ろした、少女はまた寝ている熊を背もたれに、足を伸ばして畳みに座る……こっちを向いて満面の笑みで微笑んだ。 「ミコはミコだよ~!ヨロシクね!ギーちゃん!」 雑念無く、悪意無く、悪戯無く‥その無邪気な笑顔は少年が抱いていた敵意をバカらしくなる程に純粋なものだった‥ ……聞きたい答えとは違った、何か‥もうどうでもよくなった少年は腹這いからあぐらを組んで座り、頭を掻いてため息を一つ吐いた‥ 「あ~そ‥初めまして……ミコ?‥だっけ?」 「そうだよ!初めまして!」 「クッ!クォクククク!」 「フォ!‥ガル」 元気一杯に右手を上げて言う少女にまたため息を吐いた少年だ……熊は笑い。いつの間にか少女の横にいた狼は右前足の爪を舐めてニヤリと笑った‥ (……なんなんだよこいつら‥人間味が激しいぞ‥つか、あの熊ムカつくぞ‥)
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