SUCK & BOMB

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「それで?クソガキ2号も仕事が欲しくて来たんか…」 「いんや、小遣いが入ったんで飲みに来た」 「さっさと帰れ!!」 頭の血管を浮き上がらせて怒鳴る白髪の男、それを見て腹の底から爆笑する青年。いつの間にか青年のグラスは空になっていた、酔っ払いの典型的な状態で笑い続けているその青年の顔がチラリと見えたが、サングラスをしていて顔はしっかりと見えなかった。 「こんな真夜中に意味のないサングラスを…くだらんカッコつけるな!」 「ヒャハハハ!冗談じゃ冗談!暇つぶしになんか仕事しよと思って来たんじゃえ!」 「なら良い仕事がある!」 「説教とゲンコツは勘弁な!ヒャハハハ!」 下品な笑い声が店内に響く。 するとカウンターの奥から四角いトレイと数十枚の紙を小脇に抱え、微笑みを絶やさない店員が近づいてきた。二人が座るテーブルの前に立ち、まとめた紙を青年に渡して空になったグラスを片付けながら話し始める。 「とりあえず半端者の見合いそうなやつ選んできましたよ」 「サンクス、あと水くれ」 「タバコは大丈夫かい?」 「ん…んじゃついでに頼むわな」 「未成年に勧めるな!」 「自分が働いて得たお金を他人がとやかく言うもんじゃないと思いますよ?」 「ヒャハハ!その通りえ。タバコは完全な愉楽の完全な典型である。実にうまい、そして不満を追い払う。それ以上何を望もうかってな。気遣いはありがたいが酒を持ってきた爺さんじゃ説得力無いぜ!?」 「ですってよ?ボス?」 「…クソガキ1号と同じで嫌な客じゃな!」 白髪の男は手に持っていたグラスを一気に飲み干して店員におかわりを催促しながら渡した。店員はテーブルにあった空のグラスをトレイ一杯にして微笑みながら去って行く。それを横目に見送った青年は渡された数十枚の紙束を眺め始める、1枚ずつめくる度に少しずつ、僅かずつ、笑顔が消えていった。顔付きが真剣になるにつれて白髪の男の目付きも鋭くなってきた、店員が新しいグラスを持ってきて酒が入ったのを白髪の男へ、水が入ったグラスを青年の前へ置き、また微笑みながら去って行った。 暫くして青年は三枚の紙をテーブルへ置いて老人へ渡す。他の紙束は邪魔にならない所へ置く。老人が三枚の紙を素早くサラリと読み、テーブルへ置いた。 「…で?この中から選ぶとして、聞きたい事は?」 「まず…もっと簡単なの無いんけ?」
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