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「……冗談か?」
「いんや真面目に、俺は過信しない、確実に出来るのだけを選ぶリアリズムだ」
「なら上級者専用の依頼から何故この三枚を選んだ理由を聞かせて貰おうか」
「一つはやり残し、目笠衆〈メガサシュウ〉の残党始末だな。一人二人の暗殺ならなんとか出来る上に生死問わず。聞きたい事もある…」
「解き方が知りたいんか?」
「そうだ、慣れてきたが押付けられた物は返したくてな」
「フン!大方は相棒にやらせたくないんだろうが!…優しさのつもりか?」
「ヒャハ、違うわな、罪滅ぼしえ」
「下らん。救ったガキは自分の意志で舌を噛んだ、また救って呪われた、再度救って恨まれた。次は?殺されるつもりか?」
「シスターの所に行ったんじゃ、許しがない限り殺しはもうねぇよ。殺されるつもりもない」
「そいつらの風習は知っているが…老婆心から言っておく、相棒には話しておいた方がいい。罪の肩代わり程バカなもんはない」
「知ってるわ…次が人身売買の組織。こっち来てるんなら丁度いい、そこの組織にゃ知り合いがいるんでな」
「…それはどうとったらいい?」
「2つの意味で」
「……悪いがそれだけだと貴様を捕まえるか、殺すしかないぞ」
「俺は2つの意味でって言ったんじゃ、考え方は色々あんぞ?」
「チッ。程々にしておかんか、噂を知らんのか?正規の手順を省いて危険を冒すのは無謀と言うんじゃ、これ以上に噂が酷くなるとどうなるか分かっておるだろう?下手をしたらもう見張られてるかもしれん」
「俺を誰だと思ってんじゃ?俺にゃあ片足しかねぇ、人間や幽霊が簡単に捕まえれるような存在じゃないわな」
「お前はリアリズムじゃなかったんか?聞いてると半分以上、綱渡り状態だろうが」
「そこで1つ提案だ、報酬と名誉はくれてやる。代わりに情報とその操作、最後にその組織にいる知り合いを保護しろ」
「誰に物言ってると思っとるんだ?」
「最初のと今の報酬、2つの報酬をいらねぇつってんえ。それだけでもスゲェ額で?」
「馬鹿にしとるなら…今ならまだ許してやるぞ」
「そいつは魔獣士で、伝統魔法が使える奴だったら?」
「なに!?」
「しかもシャーマン系、簡単に言えば呪術系統。少しの間研究機関に渡せば……メリットは言わずとも、だろ?」
「……分かった。いいだろう」
「んじゃ決まりでいいんじゃな?」
「…決まりだ」
「そんじゃ次で最後じゃ…これ、おかしくねぇ?」
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