『螢惑星』

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「はあ……何のようだよ。ルミ」 頭を掻きながらルミのほうを見るが、ルミは何故か扉を開けた姿で硬直している。 「あ……?なにやって?」 「あ……あんた……」 ルミの視線の先を追う。そこには、顔を顰めながら水を飲むめぐるの姿が……ってあー……。 「……」 「……」 二人、睨み合ったままで黙り込む。 「……ひとつだけ言って良いか?」 「どうぞ」 「それは誤解だ──ってだから携帯を取り出すなおい!」 「えっと、110って何番だっけ……?」 「いや、落ち着けよマジで」 頼むから。 とりあえず俺の話を聞いてくれ。 「ど、どど、どうしようっ!ジンが変態になっちゃったかも!!ねぇ、こういう時アタシはどう対処すればいいと思う!?」 「とりあえずそれを本人に相談すんなっていうか変態になってねぇし取り合えず落ち着け。そして俺の話を聞け」 「聞けるかぁっ!あんた何やってんのよ!幼児誘拐は犯罪なのよ!ていうかアウトよ色々と!あぁ、110110……」 「とりあえずフリーダイヤルだろ」 「あ、そっか……って違うっ!」 鼻息荒く俺にノリツッコミを返すルミ。 「よし。大分落ち着いてきたな。落ち着いたところで、俺の話を聞け」 「……全然落ち着いてないけどね。まあ、アンタの話を聞くくらいの余裕は出来たかも……良いわよ、話しなさいよ言い訳を」 言いながらルミは扉を閉めると、ちゃぶ台のほうに向かう。 そして、俺からめぐるを庇うように、その隣に座った。 ……全然信じてないのな。 「まあ良いけどさ。いいか……」 俺は、そんなルミに説明しようと……。 「……ん?」 ……説明、出来なくね? ─── 「はあ。要するに彼女は家出少女で、アンタが保護したと」 「……そういうこと」 ……嘘は言っていないはずだ。嘘は。 「ふーん。アンタがねぇ……」 「……なにか文句があるのかよ」 俺が睨み付けると、ルミは「別に」といって横に居るめぐるを見た。 「めぐるちゃん、何歳?」 すげぇ愛想笑いでめぐるに質問するルミ。 それに、めぐるはふむと首を傾げた。 「はて、何歳だったかの。いまいち記憶しておらなんだ」 「……」 その返答よりも、子供らしくない態度に、ルミが少し、疑り深い視線を向けた。
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