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センター街の中央。この街で一番高い高級ホテルまで、バイクで軽く二十分。
安物のサングラスから、ホテルを見上げる。
「最上階のスイートルームっつってたな……」
やっぱ、ワンフロア貸切とかか。たく、今日の獲物はどんな豚だ。
普通に正面から入り、普通にエレベーターでそのフロアへ。
護衛の数は五人程度だとか。
だったら、大丈夫。
五人全員が俺を軽く殺せるだけの、実力やら武装やらを持っているだろうが、そんなもの俺には関係無い。
その程度の有象無象。瞬きをしている間に。否、瞬きをせずに、殺して見せる。
音が鳴る。エレベーターが、その扉を開ける。
その先に、スーツの男が目に入る。
……『眼に入る』。
サングラスを投げ捨てる音と、男が銃を抜く仕草。
それよりも早く、俺とそいつの眼が合った。
──さて。それじゃあ、開幕と行こう。
『一撃必殺(アポトーシス)』の伊豆玖迅。その名に違わぬ、一夜限りの惨劇を──
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