第4章―そして運命は動き出す―

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「何を言ってる。俺はお前なんか―――」 少年が白いコートを脱ぎ捨て素顔を見せた時、エグゼクは驚愕した。 「僕を忘れたのかい?エグゼク!!」 少年は笑顔を見せながらエグゼクに近づく。 「な、んで、ハルがここに?」 「それはこっちの台詞だ!なぜお前がそちら側に居る!!」 エグゼクとハルが話していると背後から敵がエグゼクに攻撃しようとした。 「やめろ!僕の友人だ!!手を出すな!!」 ハルの声で敵軍が止まった。 「なぁエグゼク!紅き剣を持つお前がなぜ人間を守るんだ!!」 ハルはエグゼクに問いだした。 「俺は人間や俺達が差別なく生きれる世界が作りたくて!」 エグゼクの言葉にハルが言う。 「はっ!差別がねぇ、しかしこの国は俺達をクレイジーヒューマンと呼び犯罪者にした」 ハルの言葉にエグゼクは反論しなかった。 「俺達は武族の民だ!人殺しじゃない!!勝手に危険分子扱いをし人殺しにされた」 ハルが言う事は紛れもない真実であった。 「お前は拾われた所が良かっただけなんだよエグゼク!だから俺達と敵対なんかしちまうんだ!!」 ハルの言葉にようやくエグゼクは口を開く。 「敵対はしていない!ただ奪うだけじゃ何も解決にならないじゃないか!!」 エグゼクの言葉にハルは黙ってしまった。 「ハルもそう思わないか?奪ったって、また憎しみを生むだけだ!!」 「それだけか?」 ハルが聞き始めた。 「もう始まったことはしょうがないだろ!これしか道はなかったんだよ!!」 ハルが叫ぶ 「ハルがこれ以上の命を奪うなら俺は全力でお前を止める!!」 エグゼクも自分の想いをぶつけていた。 「全軍に告ぐ、撤退だ!」 ハルの言葉に他の者がざわめき始めた。 「エグゼク、次会う時は敵同士だ!次はお前を」 ハルはそれだけ言って撤退していった。 こうして侵略戦は幕を閉じた。
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