1人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
アリスはぽかんとしたままもう一度、あたりをぐるりと見回しました。
目の前を歩いているのは、くまのぬいぐるみや、少し前に流行ったブロンドのお人形や、ブリキの兵隊やロボットでした。みんな楽しそうにおしゃべりしたり、遊んだりしています。
「…本当にお人形の国なのね」
アリスは溜め息と一緒に呟きました。
「そうさ。さあ、早くカリンの腕を探しに行こう」
ピエロはアリスの手をひいて歩き出しました。その時アリスは不思議な事に気がつきました。
「あら不思議だわ、どうしたのかしら」
ピエロとアリスの背丈が、いつの間にか同じになっていました。
「私、私ピエロさんと同じになってるわ。小さくなってしまったのかしら?ピエロさんが大きくなったのかしら?」
不思議そうに手や足を見るアリスに、ピエロはちょっと笑って言いました。
「どっちかなんて分からないけど、君がヒトガタにいられるように体が変化したんだよ。もちろん、今までと変わりなく生活できるだろうけど」
そうして二人が歩いて行くと、なんだか見た事がある人と出会いました。
最初のコメントを投稿しよう!