ヒトガタ

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アリスはぽかんとしたままもう一度、あたりをぐるりと見回しました。 目の前を歩いているのは、くまのぬいぐるみや、少し前に流行ったブロンドのお人形や、ブリキの兵隊やロボットでした。みんな楽しそうにおしゃべりしたり、遊んだりしています。 「…本当にお人形の国なのね」 アリスは溜め息と一緒に呟きました。 「そうさ。さあ、早くカリンの腕を探しに行こう」 ピエロはアリスの手をひいて歩き出しました。その時アリスは不思議な事に気がつきました。 「あら不思議だわ、どうしたのかしら」 ピエロとアリスの背丈が、いつの間にか同じになっていました。 「私、私ピエロさんと同じになってるわ。小さくなってしまったのかしら?ピエロさんが大きくなったのかしら?」 不思議そうに手や足を見るアリスに、ピエロはちょっと笑って言いました。 「どっちかなんて分からないけど、君がヒトガタにいられるように体が変化したんだよ。もちろん、今までと変わりなく生活できるだろうけど」 そうして二人が歩いて行くと、なんだか見た事がある人と出会いました。
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