過去の日々と暴走の果て。

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しとしとと雨が降ってきた。 塾の帰り、傘を持ってきてないから迎えにきてともう成人を迎えていた姉に電話をして、待っていた。 「バイバイ」 友達はカバンを傘にして走っていく。 私もそうすれば良かったのかもしれない、でも私は濡れるのが嫌だから大人しく待つことにした。暇だけど、これはしょうがない。 同じく傘が無くて迎え待っていた友達もぞろぞろ帰っていき、ついには私一人になってしまった。 しとしとと降っていた雨はやがて大雨となり、激しくコンクリートの道路を叩きつけていくようになる。 遅い…… いつもなら20分もすれば来るはずの赤い車が見えない。カチカチと携帯を開いたり、閉じたり、それを何回か繰り返していると急に影が私の前にできた。 「こんな夜遅くに、ここで何をしているんだい?」 明らかに不審な人だが、その外見に唖然としてしまう。 整った顔、服装はくたびれたスーツだが着崩していて、かっこ良かった。 でも顔の小皺が多いため年齢は40代前半のような感じがする。そうには見えないけど。 話相手もいなくてつまんなかった私は理由を話した。
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