ポケットには穴が空いていた

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俺のポケットは何でも詰まってんだ。青いタヌキの4次■ポケットなんて足元にも及ばないくらい、夢も希望も人も憎しみもたぁーっくさんだぜすごいだろう!今日もポケットの中に詰めるもんを探して俺は街を練り歩く。途中、果物屋が見えて口紅塗ったみてぇに真っ赤なリンゴが美味そうだったから、ちょろっと拝借して食ってやった。店主に見付かんねぇ様にするのは簡単過ぎて意味もなく笑えた。見た目通り甘ったるくて女の唇は甘いのかぁなんて考えてたら一層可笑しくてやっぱり笑えた、嗚呼ゆかい愉快!しゃくしゃくいいながら歩いてると道端に落ちてる変な色した石っコロが妙に可笑しかったから、拾って側にうずくまる汚ねぇ野良犬に投げつけてやった。ざまぁとか言いながらまた拾って石をポケットに突っ込んだ。また一つ俺のポケットに素晴らしいモノが加えられた、嗚呼愉快ユカイ! その時、カラァンと音がして振り向くと犬の血が付いて余計変な色になった石が道端に落ちていた。       (あぁこのせいなんかなぁ、いっくら拾っても拾っても寂しくて虚しくて満たされなくてどう仕様もなくなってボロボロに顔歪ませて涙が止まんなくなってる理由は、)
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