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ベッドの上の白雪姫は、可愛い寝顔で眠っていた
朝日が『彼』を照らす。
そう、この白雪姫は男である。
しかし、その艶のある長い黒髪に、長い睫はまさに、少女そのもの。
ちなみに、身長は142cmしかない。
声も女の子そのものだ。
母「さくらちゃ~ん、早く起きないとぉ~、学校に遅れるよぉ~」
えらく間延びした声を出して、『彼』の部屋に入って来たのは小さな少女、髪は腰までの黒のロングに、クリッとした目、柔らかそうなぷっくりとした頬、そして凹凸の無い体にピンクのワンピースを着た彼女は、神藤蓮(しんどうれん)『彼』、神藤桜の母である。
蓮「ほぉらぁ、早くぅ」
蓮は眠りを誘う声を出しながら、桜の体を揺さぶる。
桜「後5ヵ月…?」
訳の分からんことをいいながら寝返りをうつ。
蓮「何でぇ~、疑問系なのぉ~。早くしなさい~」
ゆさゆさと揺さぶるが、安眠ボイス+心地よい揺れが、桜を夢の世界へといざなう。
蓮「うぅ……ひくっ……さくらちゃ~ん……ぐすっ……おきてぇ……」
あまりにも桜が起きないので、蓮は泣き出してしまった。
流石に、蓮が泣いているのを無視して寝るわけにもいかないので、上半身を起こす。
桜「はい、起きましたよ」
蓮「うん……」
未だにしゃくりあげながらコクリと頷く幼女な母親。
桜「さてと、それじゃあ着替えるから部屋出てくれる?」
蓮「髪は……?」
しゃくりあげるのは若干なくなってきたものの、声は未だに震えている。
桜「髪はあとでやって。すぐに着替えるから」
蓮「うん……下で待ってるよ」
トテトテと愛らしく走って出て行き、ドアが閉まる。
桜「はぁ……」
それを見送った桜は軽くため息をつき、さっさと着替え始めた。
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