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数分後、学生服に身を包んだ桜は、顔を洗ってリビングにやってきた。
桜「母さん、髪結ってくれる?」
蓮「はぁ~い」
幼稚園児くらいの子供がするような、元気な返事をして、キッチンからトテトテとやって来る。
桜「じゃあよろしく」
テーブルに備え付けのイスに座りながらそう言うと、蓮はまるで『おままごと』する幼女のように、楽しそうな表情で桜の髪を真ん中から両サイド、耳の後ろで結わえていく。
いわゆる二つくくりである。
髪留めはリボンを蝶々結びにしている。
これで女子生徒用の制服だったら、見紛う事無き美少女である。
蓮「終わったよ、桜ちゃん」
桜「ありがとう、母さん」
お礼を言い、母親の頭を撫でる息子の桜。
普通ならば怒るだろうが、蓮は気持ちよさそうに目を細めて、受け入れていた。
蓮「気持ちいい……って、ごはんごはん」
幸せそうな顔つきが一変、慌ててキッチンへ駆けていく。
桜は苦笑しながら、朝食が出てくるのを待っていた。
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