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二人が戻ってくると、生徒、教職員、父兄が入り混じって、何個も円を作り、フォークダンスを踊っていた。
紫苑「桜ちゃん、何でさっきまで来てたメイド服来てるの?」
桜「先輩こそ、何で化け猫姿に?」
顔を見合わせてため息を吐き、苦笑する。
紫苑「踊ろうか?」
桜「はい。では行きましょうか、お姫様」
手を差し出しながら言う桜に、紫苑は頬を染める。
紫苑「桜ちゃんのバカ。そんな事されたら私、桜ちゃんを欲しくなっちゃうよ」
もじもじしながら言うと、桜も頬を赤く染める。
桜「いや、あの、ここは男である俺がエスコートするべきかと思って……」
必死に説明する桜。
紫苑「桜ちゃん、そんなに否定してきたら傷つくよ」
今度はぶすくれる。
さらに慌て出す桜。
そんな桜を見ながら、クスッと笑って手を差し出す。
桜は一瞬キョトンとするが、すぐに笑顔になって手を取り、二人して歩き出す。
桜「それでは」
紫苑「踊りましょ」
二人は輪の中に入り、フォークダンスを踊り出す。
曲が進むに連れて、二人は相手を変えていきつつ踊り、楽しんだ。
そうして、長く、大変だった桜の一日は終わりを告げたのだった。
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