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「……ろ、お…ろ~、…起きろ!!」
ロストは声に反応し、ゆっくりと目を開ける。
「やっと起きたか、ギルドについたぞ」
ロストを起こしたカイムは車から降り、ロストも寝ぼけ眼でそれに続き車を降りる。
「……ここがナインテイルズですか?」
「あぁ、ナインテイルズ本部だ」
ロストの目の前には古い造りの塔があり、周りには木しかない。
「じぁあさっさといくぞ~、本部長が待ってる」
グレンはそう言いながらのんびりと歩いて塔に向かい、それに続いて三人も塔に向かう。
「……すごい」
塔の中に入ったロストはそう呟いた。
塔の中は外見とは裏腹に設備が整っており、部屋もかなりの数がある。
「本部長はここの最上階にいて、最上階にはあの階段を上るんだ」
ユアンが指差す先には長い螺旋階段がある。
「……あれを上るんですか?」
「あぁ、体も鍛えれるようになってて速い奴で20分、遅い奴で1時間かかる」
グレンは説明しながら螺旋階段を上り始める。
「まぁお前の頑張り次第で早くつけるから頑張れ」
ユアンとカイムがロストの肩をポンと軽く叩き階段を上る。
「……頑張ろ」
ロストは自分で自分を励まし階段を上り始めた。
36分34秒後
「もうだめ……」
やっとの思いで階段を上りきったロストは、息があがりその場に座りこむ。
「お疲れさん、だけどこの後も予定がびっしりなんだ、休んでると今日中に帰れないぞ~」
グレンは呑気に煙草を吸っている。
「それは……困ります…」
ロストはよろよろと立ち上がる。
「それでいい、じぁあ」
グレンは目の前にある大きな木製の扉をコンコンとノックする。
「2番尾隊長のグレンで~す、連絡してたロスト=アーバインを連れてきました~」
「入りなさい」
中から綺麗な女の人の声がし、グレンが扉をゆっくり開ける。
中の部屋は白を基調としていてとても広く、両側には大きな白い本棚、奥には白い机と椅子がありそこに一人の女の人が座っていた。
「待ってましたよ、ロスト=アーバイン君」
女の人はにっこりと笑い、ロストを向かい入れた。
「え……と、その……」
しかしロストはそれに対応出来ずにいた、その女の人に目を奪われたから。
確かにその人は美人と言える、しかしそれ以上にロストの目を奪うある特徴があった。
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