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「あ、これ気になります?」
女の人は少し笑いながら自分の特徴のあるものを少し持ち上げる。
「あなたと同じでしょ?」
それは髪、全てを飲み込んでしまいそうな漆黒の長い髪。
「……ロスト君?
ロストく~ん……グレン、彼はどうかしたのですか?」
「さぁ?
こら、しゃきっとしろ」
「痛い!!」
グレンはロストの頭をパチンと叩き、ロストは頭を押さえる。
「ほれ、挨拶しろ」
「あ、初めましてロスト=アーバインです」
ロストはペコリと頭を下げる。
「初めまして、ナインテイルズ本部長マリア=アリストです」
微笑みながら自己紹介する本部長マリア。
「ロスト君にはこれから検査を受けてもらいます。
内容はあなたの魔力の分析がメインで、時間が余れば身体能力も測定します。
いいかしら?」
「いいですけど……なんで魔力の分析をするんですか?」
「ロスト君は魔法が使えないんでしょ?
ナインテイルズに入ったからには依頼を受けてもらわなきゃいけないの。
それで、その依頼の内容のほとんどが魔物退治とかの危険なものなの。
それを魔物抜きでこなすってゆうのは辛いでしょ?
だから魔力を分析してどの魔法が使えるか調べるの」
マリアの説明を受け、ロストは納得した。
「わかりました」
「じぁあ早めに始めましょう、グレンはロスト君を研究室に連れて行ってあげて。
ユアンとカイムは残りなさい、今からお説教です」
天使のような笑顔を浮かべるマリアは逆に怖かった。
「……じぁあ行くぞ、ユアンとカイムの冥福を祈りながら」
「「死んでねぇよ!!」」
ユアンとカイムは全力でグレンの言葉を否定する。
「まぁ変わらんだろ」
ケラケラと笑うグレン。
「あ、ちなみにグレンもロスト君を連れて行ったら戻ってきて下さいね、あなたもお説教です」
そしてマリアの言葉を聞き、グレンは固まる。
「……早く行きましょうよ」
「あぁ……」
ロストが固まっているグレンを促し、部屋を出る。
すると
「あなた達は一体何をしているんですか!!」
マリアの怒号が部屋の外まで響いた。
「ついたぞ……」
研究室についた後もグレンは元気がなく、マリアは怒ると怖いとゆう事がよく分かる。
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