始まり

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そんな僕でも全く三次元の女の子に興味がないわけではない。 多少憧れを抱いたりもする。 例えば僕の家の隣に住む高嶋明菜(タカシマアキナ)ちゃん。 一年くらい前に僕の家の隣に新築の家が建った。 そこに引っ越してきた三人家族の一人娘だ。 僕より二つ年下の高校一年生で、とてつもなく可愛い。 少し茶色く染めた真っ直ぐで長い髪、パッチリした目、華奢な体型。 初めて見た時タレントでもやっているのかと思った。 そのくらいの可愛さだった。 しかも良いのは見た目だけではなく、頭も性格も良い。 雰囲気からして優しそうなのだが、たまに道で会うと笑顔で挨拶してくれる。 こんな素敵な笑顔、僕は今まで二次元の女の子からしか向けられたことはなかった。 いつも僕に「キモい」とか言っている女たちと比べると、彼女はまるで天使だ。 だからと言って、彼女と付き合いたいとか、そんな無謀な夢を抱いているわけではない。 自分の身分はわきまえているつもり。 だから僕は憧れのままでいい。
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