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「朝斗さん!?」
あたしが気付いたのは
吉以のそんな声でだった。
目を覚ますと
目の前にはずぶ濡れの朝斗。
さっきまで一緒にいたのに
一体何があったんだろう。
あたしはタオルを出し、
朝斗に頭からかぶせた。
「雨降ってたんだ。
てかどこ行ってたの?」
「…………」
答えてくれないし。
あたしは朝斗の前に立ち、
真っすぐに見据えた。
こんな時、
朝斗は何を聞いても無理。
自分から話すのを待つしかない。
長い付き合いだから
それはわかっていた。
あたしは吉以に頼んで
コーヒーを持ってきてもらう。
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