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こんな風になってしまったのは、いったい何時からだっただろう?
放課後。
異様に広いグラウンドを横切り、校門へ向かって早足に歩きながら。
私は、ぼんやりと考えた。
何の部活動にも所属していない私は、午後の授業が終われば、大抵は真っ直ぐに帰宅する。
クラスメートたちと寄り道したりするのが、辛いからだ。
ファミレスやCDショップ、ゲームセンターといった場所を回るのが、単に苦痛だったから。
本来、静かな人間と場所を好む私には、騒がしい者たちと騒がしい場所へ行くのが、耐えられないのだ。
……今となっては、もう思い出すことすら叶わない。
それくらい昔から、私は偽りの仮面をつけて生活していた。
私の両親は、揃って規律に厳しく、自分の意思を曲げる事のない、強情で頑固な人間だった。
昔からアレをしなさいコレをしなさいと命じてばかり。
只、お父さんたちの言うことは正しいのだから聞きなさいと言い聞かせ、怒鳴るだけ。
毎日勉強は五時間以上しろだの、勝手に塾やスポーツクラブの申し込みはするだの、兎に角勝手だった。
そこに、私の意思など存在しない。
逆らえば怒鳴られ、金属バッドでお尻を打たれるか、次の日の朝までベランダに放り出される。
泣き叫べばまた怒鳴られ、同じように罰を与えられる。
そんな日々を、幼稚園に通う前から送っていた気がする。
そうして私は、何時しか自分の感情を隠すようになった。
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