歴史

2/4
前へ
/380ページ
次へ
戦国乱世 群雄割拠の時代 大地は朱に染まり、嘆きが天を焦がした時代  民の心は荒み、闇が、邪が、鬼が、我が物顔で戦場を跋扈した。  ありとあらゆる所で人は食われ、更に嘆きが天を焦がす。  時の権力者達は事態を重く見て、各地の行者、修験者など、名のある能力者達に声を掛けた。 鬼を封じよ  各地で鬼封じが始まった。  その中で、唯一人、権力者に従わぬ者がいた。  一風変わった巫女装束。  歴史に名を残す行者の再来、とまで言われる凄まじき霊力。  そして誰にも媚びへつらわない、傲岸不遜極まりない態度。  その巫女は、真っ先に権力者から命を受け、真っ先に断った。  入れ替わり立ち替わり権力者の使いが、手を変え品を変え巫女の元へ訪れた。  巫女は杜に結界を張り、使いの者は巫女の姿すら拝めず帰途についた。  ある日、身なりに相応しからぬ貫禄ある人物が杜を訪れた。  その日、杜の結界は解かれた。
/380ページ

最初のコメントを投稿しよう!

618人が本棚に入れています
本棚に追加