【誕生日前夜】

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17と言えば、 誰だって好奇心旺盛な時期。 色んな事に目覚めて、 何でもかんでもやってみたいお年頃。 あたしだって、それは変わらなかった。 毎日が楽しかった……。 それを手放さなければならないと思うと、 凄く自分の宿命を呪ったわ……。 友達だって沢山居たし、 学校は凄く楽しかったから大好きだった。 先生も面白い人ばかりで、 勉強だって好きになれたのよ。 でも、もう……通えない。 友達とも、お別れしなきゃいけない。 恋だって、 本当はもっと沢山経験したかった。 ただ、 あたしは普通の男とは少し違ったから…… そう気付いたのは、もう大分前の事。 女の子は、可愛いと思うわ。 ただ、恋愛感情を抱ける程の魅力は、 あたしには感じられなかった。 仲良くはなれたのよ? 女の子と話してると、 無意識に話が弾むし、 好きなものも、 女の子との方が気が合うの。 一緒にsweets食べに行ったり、 少女漫画を貸してもらって、 乙女らしく感動したり……。 何かと、女の子に近かったと思う。 あたしがそういう意味でトキめくのは、 何時も必ず、男の人。 Kissしたいとか、抱き合いたいとか…… 恋人達が当たり前のように抱く、 その全ての感情の行き着く先は、 あたしの場合、 やはり、全部男の人だった。            
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