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日も暮れかかった頃、ぼろぼろになったナルが慎二の横にドカッと腰かけた
それを見てまた大人逹は何事かとハラハラしどうしだ…
「慎二、仇はとったぞ」
その言葉に大人逹からため息が漏れる
ほどなくして、顔にアザを作った少年が両親と共に慎二の元に謝罪に訪れた
幸い出血の割には慎二の怪我が軽かった事と、何より少年の顔にはナルが付けたアザがたくさんあったこともあり、大人逹は大騒ぎするのはやめようと決めた
誰もナルを責めなかった
ナルの気持ちはその場に居た者全員がわかっていたからだ
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