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兄妹の沈黙は続いていた
慎二が沈黙を破る
「俺ら歳食ったな…」
「だよねぇ…」
「なんやろうなあ…」
「何が?」
「置いていかれてるような感覚はおまえにはない?」
「…ある」
「歳食ったのは俺らなのにな」
「11歳のナルに兄貴は一生勝てないってな」
「まじへこむけんやめれ」
「冷たいビールもってきてやるけんね」
亜子は慎二の肩をぽんと叩いた
「ナルが居なくなった日だ…ナルの話尽きるまで寝るなよ、付き合え、とことんまで話すぞ」
兄妹の語り
ナルの思い出話は深夜まで続くこととなる
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