残された子供逹

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最初は令二の出番だ 「無理はせんでよかよ…」 母親はそう言って令二を送り出した 令二は母親の笑顔が見たかった ナルが居ない今それは自分の役割だと令二は理解していた 令二の気持ちとは裏腹にここでも母親は泣いてしまった 令二が頑張らなかったからではない 歯をくいしばり真剣に走る令二を初めて見たからだ 令二はこういう場面ではいつも控え目だった 息子のたくましい成長を目の当たりにして溢れた涙だ
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