亜子誕生

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その頃3歳になったばかりの兄慎二は焦っていた 今まで独り占めしていた両親を取られてしまうのではないかと 「ほら、慎二赤ちゃんきたよぉ」 「見らん、お母ちゃんこれなんて書いとると?」 「それはねぇ、そらって読むんだよ」 「ふうん、わかった」 慎二は母親の気を引こうと必死でひらがなを覚えていた 慎二にとって生まれたばかりの亜子は脅威的なライバルだったのだ
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