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「少し陣内を歩いてくる。」
暫く張遼の部屋に居たが、まったく相手をしてくれないので、祥太は外を歩く事にした。
「戦場は前回と同じなら…孝彦はどんな戦術でくるんだろ。」
陣内を歩きながら、祥太はそれを気にしていた。
「毎回包囲されっぱなしだからな…どんな戦術でくるかな?」
祥太は、孝彦がやりそうな戦術を予想し続けた。
「桶狭間の信長みたいに、少数精鋭での奇襲か…いや、正面からの戦いだからないよな。なら、赤壁みたいな火計…なわけないしな。三方原や厳島の戦いとは、条件が違うしな。」
自分が知っている過去の戦いの戦術を、片っ端から思い出していった。しかし、どれも違う気がした。少ない兵力が勝った戦術は山のようにある。しかし、大半は今回の戦場の条件と合わなかった。
祥太は、前回の戦いの負傷兵と出会った。
「なあ、孫策軍は、どんな戦術で来ると思う?」
治療を受けていた兵士達に尋ねた。
「そ…曹丕様!私らでは、戦術とか何とかは分かりません。」
「ただ、敵に包囲されるのは、もう嫌です。」
前回の戦いの終盤、祥太が力任せに攻めた結果、曹操軍は包囲されてしまった。負傷兵達は、口々に包囲されたくないと言っていた。
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