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「万斉よォ...
俺の命が尽きるのは..直ぐそこかもしれねェな..」
窓の外には雪がハラハラと降る
白く、白く
黒く染まった俺を浄化する様に
「晋助..何を申して居る
主は何も『俺ァ知ってんだよ』....晋助..ッ」
細くなっていく腕や体
酷くなっていく頭痛や目眩..そして吐き気や吐血
「これが風邪っつーのかよ.....なァ!?」
「ッ...晋助..」
無意識に叫んでしまう
情けない自分
認めたくない『真実』
何分..いや、何十分か経つと万斉が重い口を開く
「晋助..主に残された命はあと..ーー-.」
「ーーッ!!」
ハラハラと舞う雪の中
俺は笠も被らず
上着も着ずに
ただ...走る
『あの人に』会いに
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