<hanabi>

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   祭り。  今までも、そしてこれからも二度と参加できない行事。   「祭りには店がたくさん出ます。お酒や菓子といった食べ物から、風車のようなものも………あとは力比べもありますね」    今挙げられたものの中では、己は風車しか出来ないなぁと思った。  飲んだり食べたりは体が受け付けないので出来ないし、力比べなんてもってのほかだ。   「でも、なんと言っても祭りは――――」     ――ひゅるるる……どどん!      女中の声を遮って、騒音と共に突然夜空に咲いたのは大輪の華。   「あれは………!?」 「あれが祭りの醍醐味(ダイゴミ)、花火です」    話している間にも、花は咲いて散ってを繰り返している。   「……綺麗、だな」 「そうですね」    花火が終わるまでの束の間、二人は黙ってそれを見上げていた。
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