19人が本棚に入れています
本棚に追加
「とても男らしい、賢明な判断だ。君の最期はしっかり見届けて差し上げようか」
スタームは首を横に振った。
「あんたに見られてたら、暴れちまいそうだ。そのガキ二人連れて、とっとと失せな」
「いいとも。さらばだ、スターム君。願わくは来世で会おう」
颯爽と踵{きびす}を返したジンクスは、ハルトとトリガーの手首を掴み、処刑場の出口に向かう。
二人のスラム・キッズは、ジンクスの思いの外強い力にあらがえず、処刑場の外へと強制的に引きずりだされてしまった。
「こんな場所に、君達のような子供が出入りするのは、あまり誉められたことではないぞ」
ジンクスは冷静に言った。
トリガーは獣のように目をぎらつかせてジンクスを睨む。
「俺達は子供じゃない!」
「いいや少年よ、君達は世間的視点から判断すれば、まだまだ子供だ、スラム・キッズ」
トリガーの瞳に激しい怒りが走り、気付いたハルトが彼を羽交い締めするように、脇の下から腕を突っ込んで自分の方に引き寄せる。
トリガーは拘束を解こうと暴れながら怒鳴った。
「少年と呼ぶな!! 俺は少年じゃない!!」
ジンクスは呆れたように溜息を吐き、不意に銃口をトリガーの額に押し当てた。
最初のコメントを投稿しよう!