第一章 「秋の休日」

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 ゴールデンウィークが土日とかさなり学校が上手い具合に一週間の休みとなった。  しかし世の中は甘くない、碧山学園は休みが明けると直ぐに中間考査に突入する。  そんな碧山学園二年生の三神秋(ミカミ シュウ)は連休初日の朝を迎えた。  いつもなら早めに起きる秋もこの日はゆっくりと寝ている。  規則的な寝息をたてながら秋は左へ寝返りをうつ。  すると秋の手が何か柔らかい物を掴み、意識の無い手はなぜかニギニギする。 「んっ」  横から甘い吐息が漏れ、何事かと秋は片目を開けた。  目の前には秋がお世話になっている喫茶店Peaceで働く、大学生のお姉さん理恵が心地よさそうに眠っている。  その理恵の形の良い胸には自分の手が……。  こういうハプニングに弱い秋の思考は固まる。  なぜ理恵さんが俺のベッドに?  とにかく秋は一回深呼吸して記憶を辿った。
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