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「きっと、誰も、知らない」
きっと、誰も、知らない。
僕が今、何を想っているかだなんて。
僕がどんな想いでいるかだなんて。
人間同士が分かり合得るだなんてこと、所詮は飴細工のまやかしでしかないんだろう。
甘い甘い嘘で塗り固められた、幻想。
それでも僕は、誰かを信じ続けていきたいと思うんだ。
けれど、そんな僕の想いさえきっと、誰も知らない。
絶望という黒い二文字が、僕の心を侵食していく。
溢れたそれは雫となって、僕の頬を濡らした。
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