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「あるAから、Bへの手紙」
好きでした。
だから、
傷つけました。
好きだと想えば想う程に、この感情は貴方を傷つけていきました。
本当は、傷つけたくなどはなかったのに。
貴方の日だまりのような笑顔が好きでした。
時折優しげに細められる瞳が好きでした。
けれど今の私が思い出せるのは、貴方の絶望に歪んだ顔ばかり。
……いつの頃からか、貴方は笑顔を見せなくなってしまいました。
いつも私を見る度に、貴方の顔は恐怖と絶望に彩られます。
愛してはいけなかったということぐらい分かっていました。
けれど、この躯を喰い破るような感情は、抑えることができなかった。
今、貴方の側に私はいません。
貴方を傷つける者は、もうありません。
私が貴方にしたことは、赦されない罪でした。
けれど、分かって下さい。
私が貴方を愛していたということだけは。
それだけは、分かって下さい。
(私はそれでも、貴方を愛していました)
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