4月9日

2/9

25161人が本棚に入れています
本棚に追加
/390ページ
あれから一週間が経ち、今日は同窓会の日だ。 時間は夕方5時。もうすぐ始まる。 さっきからずっと、ふじわらの手紙を眺めながら、同窓会がどういう風に行われるのか考えてしまっている。 ふじわらは大丈夫だろうか? 逃げておいて心配なんて、虫が良すぎるだろうか? 何をされるんだろう。 何を言われるんだろう。 ふじわら、傷つけられるのかな? 私の悪口もあるのかな? それとも、誰も覚えていないかな? 自分で断ったくせに、あいつらなんか大嫌いなくせに、どうしてこんなに気になるの。 人の目が気になって仕方ない。 どう思われてるのか気になって怖い。 もう私のことなんて忘れてるかな。 それなら、すごく悔しいよ。 私の痛みを、あいつらが知らないまま記憶から私自身も消えてしまうなんて。 だけど、いまも私のいない場で、私が罵られているのかも知れないと思うと、やっぱり辛い。 ぜんぶ辛いよ。 考えれば考えるほど、感情が苦しみで埋め尽くされてしまう。
/390ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25161人が本棚に入れています
本棚に追加