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お母さんの友達かな。
私は気にすることもなくテレビを眺めていた。
けれど、聞こえてきたのは信じられない名前だった。
「藤原と言います。相川理恵さんに用があって……」
ふじわら?
なんで?
さっぱりわけがわからなかった。
どうしてふじわらが私の家に来たのか。
何をしに?
ていうか、どうして私の住所を知ってるの?
かすかに聞こえた声に動揺していると、2人分足音が部屋の前まで来て、お母さんの「こちらへどうぞ」という声が聞こえた。
1人分の足音が去って行っていき、残されたもう1人分の足音の主が、ドア越しにこう言った。
「久しぶり。藤原です」
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