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「根性?」
私はムッとして聞き返した。
「中学の頃、相川理恵はずっとうつむいてた。最初は、あいつらと目を合わせたくないんだと思ってた。でも、ある日違うって気づいたんだ」
「何を……」
「俺、見たんだ。あいつらがいない帰り道でも、あんたがうつむいて歩いてたの。自分の顔を人に見られたくなくて、うつむいてたんだろ?自分は不細工だからって思い込んで、自分を卑下して、自分をいじめてたんだろ?しかも、それはいまも続いてる。その気持ちが、あんたをこの部屋に閉じこめてる」
不細工だと、キモイと繰り返された自分の顔が、私は大嫌いだった。
仕方ないでしょ…
誰にも顔を見られたくないくらい、私は自分が嫌いなの。
「不細工だから、見られたくないんだもん。晒したくないんだもん、こんな顔…」
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