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「ふじわらが……私を……?」
なんで?どうやって?
私は思いがけない言葉にポカンとしてしまった。
「俺、中学卒業してから、専門学校行ってたんだ。で、いまはメイクアップアーティストをしてる」
ふじわらは雑誌を取り出し、写真を私に見せつけた。
桜色の背景に、真っ白な少女。
ふわふわな白いワンピースを着て、優しげに微笑んでいる。
「これって……」
この人、知ってる。テレビでよく見る。
気が強くて男勝りで有名なタレントだ。
こんなふわふわな人じゃない。
いつも口が悪くて、周りをビビらせているような人だ。
「俺がやったの」
「えっ!?」
私は雑誌に向けていた顔を勢いよくあげて、ふじわらを見た。
「俺の特技、イメージをがらりと変える化粧をすることなんだ」
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