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「初めまして!一回生の相葉理奈です」
偽名と作り上げたキャラクターで、私は自己紹介をする。
「一回生?俺もだよ!俺、豊岡正史。理奈ちゃん、学部どこなの?」
座りなよ、と椅子をくれたので、少し遠慮がちにちょこんと座る。
「私は社会学部だよー。豊岡くんは?」
「そうなんだ、社ガールだな!どうりでかわいいわけだ!俺は商学部。なんでこのサークルに入ろうと思ったの?」
このサークルはフットサルのサークル。
男女ともに約20人ずつくらいの規模だ。
別名、ナンパサークル。
飲み会ばかりでフットサルなんて名目だけ。
出会いを求める学生が集っている団体だ。
「えっ……あ、えっと……」
ここで、打ち合わせ通り、どもる。
で、次のセリフだよ、豊岡。
「なになにー?なんかワケありなのかあー?」
下を向く。
3秒ためて、徐々に頬を赤らめる。
そして、恥じらいながら言う。
「あなたに、会いにきたの」
ここには私の本音も含まれている。
あなたに、復讐するために会いにきたの。
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