1公演目~シーン1~

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脂っぽくてニキビ跡だらけだった肌も、すべすべだ。 『まずは化粧水と乳液でケアしてから、コンシーラーでニキビ跡を消す』 『化粧水だけでいいじゃない?』 『だめだめ!化粧水だけだと、化粧水が蒸発するときに肌の水分も蒸発させてしまうから、余計に乾燥する。だから乳液でふたをするんだ』 『へーえ』 ただ化粧水をつければいいわけではないらしい。 『それから化粧下地をまんべんなく塗る。このふた手間で、ニキビ跡だけを集中的にカバーできるし、脂を抑えて化粧崩れを防げるんだ。次はパウダー。』 『ファンデーションは?いらないの?化粧といえばファンデーションなイメージがあるんだけど……』 『カバー力があるパウダーなら、ファンデーションがいらない。だから肌に優しい。ニキビを隠すのも大切だけど、悪化させないことも大切だから』 私の顔の上で何が起こってるんだかわからないくらい、いろんなものをふじわらは塗りたくっていた。 ほかにも、頬にはチークだとか、低い鼻にはハイライトをのせるとか、いろいろ言っていたけれど、よくわからない。 目と肌に関してだけで、私の記憶容量はいっぱいになってしまうくらい、ふじわらはたくさんの化粧品を説明してくれた。
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