1公演目~シーン1~

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「ちょっと、相川理恵!」 感心しながら鏡を眺めていると、背後から怒りの声が聞こえた。 「あっ、ごめん」 待ちかねたふじわらがやって来たのだった。 「メールしてから何してたのさ。遅いから心配したよ」 ふじわらのおでこには、うっすらと汗がにじんでいる。走ってきたのかな。 「ごめんね、私すごく変わったなあって思って……」 そう言うとふじわらの顔に表れていた不機嫌はすぐに消えた。 「だろ?俺の特技だからね」 トントンと、すべすべになった私の頬を人差し指でつつき、満足げに笑った。 「じゃあ、いくよ」 ふじわらが向き直って歩きだしても、頬にくすぐったさが残っていたので、私は化粧が落ちない程度に、そこをこすった。
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