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次の日の昼、ふじわらは本当に家に来た。
今日の曇り空の中にポツンと一カ所現れた青空のような、水色のシャツを着ている。
「昨日、あれから豊岡とどんなメールしたの?」
ビーズクッションをにぎにぎしながら、ふじわらが尋ねた。
昨日のメールの内容は、いたって退屈なものだった。
好きな歌手とか、サークルの様子とか、豊岡の野球部だったころの話とかだった。
面白味のないやつだなーと思いながら、それでも私は豊岡の喜びそうな言葉と絵文字を駆使し、文面も私の顔のように飾り立てたのだった。
気をよくした豊岡は、今度2人で会おうよ!なんて言い出してきた。
昨日会ったばかりなのに。
「もう会いたいって言い出したの?」
ほら、ふじわらもびっくりしてる。
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