新人家庭教師と引きこもり女子高生

3/36
前へ
/280ページ
次へ
「山村の紹介だったな。ってことはだ、即採用ってことだ」  思わず、え?、と言ってボクは、呆気に取られた。  これを、〈呆気に取られた〉と言うんだな。  紹介とはいえ、まだ履歴書を渡して名前にケチをつけられただけなのに。  ……採用? 「山村の事は信用してるんだ。アイツが紹介するってんなら間違いは無いだろ」  と、言いながら〈ミナミの帝王〉……いや、社長はボクと挟む形にある目の前のガラスのテーブルに、茶色の大きな封筒を置いた。 「んでだ、早速なんだがお前さんにはすぐに仕事してもらおうと思う。ウチはまだまだ小さいからな人手が足りないんだよ」  社長は、封筒から書類を取り出す。  アンケート用紙のようだ。  何やら、既にもう文字が書き込まれている。 「喜べ。お前さんの初体験は女子高生だ」  社長は、オヤジくさい笑みを浮かべながらそう言った。
/280ページ

最初のコメントを投稿しよう!

401人が本棚に入れています
本棚に追加