永久の螺怨

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ハンター暦2000年9月 ヨークシンシティにて同時多発テロが起こる。 死傷者は2000人以上の大惨事となった。 幻影旅団による競売品強奪。 彼らもそこに居合わせていた。 一人の男は事件の翌日、ふらりと事件現場へ足を運び、清掃された後の血だまりを眺め、すでに運ばれた遺体を想像した。 「ふっふっふ」 興奮に身を震わせ事件当日に居合わせなかった事を悔やむ。舌で上唇を滑らせ沸きあがる興奮を鎮めようと努める。 「おい、そこで何をしている」 現場周辺での処理をしていた警官隊が男を取り囲む。全員が銃口を向け男に圧力をかける。 しかし、男は銃口にまったく圧される事無く身をさらに震えさせている。 「だめだよ・・・円の中に入っちゃ」 刹那取り囲む警官隊の体を、男から発せられた何かが付きぬける・・・・ 悲鳴を上げる間もなく地面に崩れ落ち赤い液体を撒き散らす。 「幻影旅団か・・・惜しい事をしたな」 男はくるりと体を反転させその場から歩き出した。もっと満足できる危機を求めて。 男はすでに遺体となった彼らの場所へ向けて何かを取り出し、放り投げた。 血だまりに落ちその白い髪を徐々に赤く染めていく。ただ真四角の白い紙。 真っ赤に染まった白い紙、ただ一部分を除いて・・・・ そこに現れたのは文字。 永久の螺怨(とこしえのらえん)
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