9人が本棚に入れています
本棚に追加
ハンター暦2000年9月
ヨークシンシティにて同時多発テロが起こる。
死傷者は2000人以上の大惨事となった。
幻影旅団による競売品強奪。
彼らもそこに居合わせていた。
一人の男は事件の翌日、ふらりと事件現場へ足を運び、清掃された後の血だまりを眺め、すでに運ばれた遺体を想像した。
「ふっふっふ」
興奮に身を震わせ事件当日に居合わせなかった事を悔やむ。舌で上唇を滑らせ沸きあがる興奮を鎮めようと努める。
「おい、そこで何をしている」
現場周辺での処理をしていた警官隊が男を取り囲む。全員が銃口を向け男に圧力をかける。
しかし、男は銃口にまったく圧される事無く身をさらに震えさせている。
「だめだよ・・・円の中に入っちゃ」
刹那取り囲む警官隊の体を、男から発せられた何かが付きぬける・・・・
悲鳴を上げる間もなく地面に崩れ落ち赤い液体を撒き散らす。
「幻影旅団か・・・惜しい事をしたな」
男はくるりと体を反転させその場から歩き出した。もっと満足できる危機を求めて。
男はすでに遺体となった彼らの場所へ向けて何かを取り出し、放り投げた。
血だまりに落ちその白い髪を徐々に赤く染めていく。ただ真四角の白い紙。
真っ赤に染まった白い紙、ただ一部分を除いて・・・・
そこに現れたのは文字。
永久の螺怨(とこしえのらえん)
最初のコメントを投稿しよう!