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念能力
ハンター暦2000年9月
ヨークシンシティにて同時多発テロが起こる。
死傷者は2000人以上の大惨事となった。
幻影旅団による競売品強奪事件。
現行犯グループの死体が発見。警察、マフィア達にもその情報は流れている。
(あれは恐らく偽者だな)
運び出される死体を眺めながら男は感じていた。
(幻影旅団がこれくらいでくたばる様なら、とっくに誰かに殺されているはずだ)
しかし敢えて何も言わなかった。余計な混乱を招くのは今は得策ではないと判断したからだ。
「カンザさん・・・ボスがお待ちです」
黒いスーツに身を包んだ男に呼ばれ、傍に停めてある車の後部座席へと乗り込んだ。
「これで一安心だな」
すでに後部座席に乗っていた男がタバコを吸いながら言った。カンザは否定も肯定もせず隣へ座る。
「ノストラードの娘に占ってもらってよかった。競売に行っていたらと考えるとぞっとする」
心なしかタバコを持つ手が震えているのをカンザは見て見ぬ振りをした。
「今日で君との契約も終わりだな。私としては君には今後ボディガードを勤めてもらいたいものだよ」
「そう思っていただけて幸いです」
カンザは軽く頭を下げた。「報酬としてこちらの情報網を使っていろいろ調べて見た」
そういって男はかなりの枚数の紙の束をカンザに手渡した。すべてに日付やら何やらが書かれている。
「ありがとうございます」「それだけ調べても永久の螺怨に関しては見えてこない。ただわかった事は・・」
カンザは瞬間察知した。回避不可能と・・・ただ自分以外避けられないことを。
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