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車のボディを貫通し運転していた男とその組のボスの体にまで達した棒の様な物。
カンザは刹那でドアを蹴破り外へと飛び出していた。車を貫いた棒の様な物はくねくねと動き、その主の元へと帰っていく。
その先に立っていた念能力者の所へ。そこに居たのは男。撒き散らされた資料に載っている・・・
「お前がカイか」
カンザはすでに臨戦態勢に入っている。念のオーラを練りこみ相手から目を離さない。カイは両手をだらりと下に垂らしにやりと笑っている。
「人の事を嗅ぎ回るなんて悪い癖だから粛清してあげたよ」
カイは散らばっている資料を指差した。後方に転がっていた車が爆発しその爆風で紙が舞い飛ぶ。カイは自分の方に飛んできた紙を掴み読み上げた。
「1993ねーん。はじめての犠牲者が出る。だけどこの年には自爆テロの方が取り上げられちゃったからね。小さな村だったしね」
カンザは頬を滴る汗を感じ、手がじんわりと汗ばんでいるのがわかる。
「別に狂ってなんかいないさ。ただ単に楽しいからさ。そうして私に向けての恨みが螺旋の様に絡み付く」
カイは手に持った紙をくしゃくしゃに握りつぶし地面へと落とす。
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